過去に戻れるという席がある喫茶店に、訪れる人々が、それぞれの事情を抱え、過去に戻る体験をする映画。
主演は有村架純が喫茶店の店員を演じる。脇を固めるのが伊藤健太郎、波瑠、薬師丸ひろ子、吉田羊、松重豊、石田ゆり子など実力派の俳優たち。
ドラマ「アンナチュラル」などの演出を担当した塚原あゆ子が監督を務めた作品でもありますよ。
目次
映画「コーヒーが冷めないうちに」の簡単なあらすじ
- 「フニクリフニクラ」という喫茶店には過去に戻れるという噂のある席があります。
- 過去に戻れるのは、コーヒーが冷めてしまうまで。およそ5分くらいという短さ。
- コーヒーが冷めきる前までに飲み干さないと、現在に帰ってくることができなくなるというルール付きです。
- それでも、「フニクリフニクラ」には過去に戻りたいとたくさんのお客さんがやってきます。
- 過去に戻ることで今を変えていく。そんな人々の姿が切なかったり、あたたかかったりする印象の映画です。
映画「コーヒーが冷めないうちに」の見どころは?
この映画の見どころはやはり、喫茶店を訪れた人々が過去に戻るところです。
それぞれが後悔していること、あのときこうしていれば、などそういった気持ちを抱えています。それでも、過去に戻ったことにより前に進んでいこうと思えるようになる人々が愛しくて、やさしいお話です。
映画「コーヒーが冷めないうちに」の総合評価&感想は?結末&ネタバレ含む
出典:https://eiga.com/movie/88816/gallery/
この映画が公開されたときにポスターを見て「観に行きたいな」と思っていた映画でした。ポスターによるとこの映画の全体的な感想は、感動する!四回泣ける!そんな感じでした。
確かに感動するし、泣けるけれど、少し重い話だとも思いました。
最初に過去に戻ったのは波瑠さん演じる二美子と幼馴染の林遣都さん演じる五郎の話。この話は納得の結末を迎えてくれました。
素直になれなくて五郎とすれ違うも、過去に戻ったことでも何も変わらなかったけれど、自分が素直になれていないだけだと気づく二美子はかわいい。
そして二美子はもう過去を変えようとするのをやめて、今を生きるようになります。一緒にアメリカに行こうと。
五郎に送ったラインの返事を見て、「この二人はうまくいくな!」と爽やかな気持ちにしてくれました。お話の中だけですが、波瑠さんと林遣都さん、なかなかにお似合いですよね。
松重豊さん演じる房木さんの話は重かった・・
薬師丸ひろ子さん演じる妻が病気でいろいろなことを忘れてしまっている、という設定です。
そんな妻が「夫に手紙を渡したい」と言ってることを聞いて、過去に戻ることに。そして受け取った手紙には「最後まであなたのは夫婦でいたい」という言葉がありました。
それ以降、夫婦をやり直そうとする房木さんを応援したくなりますし、私はここで泣きました。どんな形になっても、あなたと最後まで夫婦でいたい。そう思えるって、すごく素敵だなぁ、と。
実は未来にも行ける喫茶店だった
お母さんは数ちゃんの未来を心配して未来の数ちゃんに会いに行って、コーヒーが冷めてしまって過去にとどまることになったことを知ることに。
ここで、過去に戻れるという噂の喫茶店は、実は未来にも行けるということが分かりました。
未来にも行けるタイムリープのお話って新鮮ですよね。
ただ、このお話では、そうして未来に行ったことによって、過去に戻ることができて、数ちゃんは「フニクリフニクラ」の常連さんだった彼氏の伊藤健太郎さん演じる新谷亮介との子どもを産もうと決心し、前に進んでいく。
ちょっとお話を理解するのに難しかったな、と正直思うところもあります。そして、そんな結末に納得したような、やっぱりどこか重さを感じるような印象のある結末だったと思います。
印象に残ったセリフやシーンを紹介!
ネタバレになりますが、この映画で個人的に一番印象に残っている見どころのシーンは吉田羊さん演じる平井さんが過去に戻るところです。
実家を飛び出した平井さんのもとを、妹さんが何度も何度も会いに来てくれていました。それでも、平井さんはまともに相手をしなかったのですが、ある日、妹さんがシンでしまいました。交通事故で。
その過去はどう頑張っても変えられませんでしたし、直接「ごめん」とも伝えられなかったし、「あんたは私のかわいい妹だ」とも言えなかったけれど、主人公である有村架純さん演じる数ちゃんを通して伝えることができて、平井さんは最終的に旅館を継ぐことを決めました。
「あんたは私のかわいい妹だ」その一言が私の中ではとても重かったです。
自由奔放に生きている平井さんも、妹のことは邪険にしながらも、本当はすごく大切な存在で。そのことに気づくのが失くしてから。
すごく切ないのですが、この「あんたは私のかわいい妹だ」のセリフ、関係性は違っても誰かに言われてみたいなと思う人もいるのではないでしょうか。
映画「コーヒーが冷めないうちに」の登場人物・キャスト
- 時田数 – 有村架純(幼少期:高松咲希)
- 新谷亮介 – 伊藤健太郎
- 清川二美子 – 波瑠
- 賀田多五郎 – 林遣都
- 時田流 – 深水元基
- 平井久美 – 松本若菜
- 高竹佳代 – 薬師丸ひろ子
- 平井八絵子 – 吉田羊
- 房木康徳 – 松重豊
- 時田要 – 石田ゆり子
- 未来 – 山田望叶
- 渡辺憲吉
- 佐藤直子
- 猫田直
- 長谷川ティティ
- 高橋里恵
- 城戸愛莉
- 梶原みなみ
- 田中偉登
- 西田彩乃
- 高橋拓伸
映画「コーヒーが冷めないうちに」のスタッフ
- 原作 – 川口俊和『コーヒーが冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』(サンマーク出版刊)
- 監督 – 塚原あゆ子
- 脚本 – 奥寺佐渡子
- 音楽 – 横山克
- 主題歌 – YUKI「トロイメライ」(EPICレコードジャパン)
- 企画プロデュース – 平野隆
- プロデューサー – 岡田有正、進藤淳一
- 共同プロデューサー – 大脇拓郎
- ラインプロデューサー – 坂本忠久
- 撮影 – 笠松則通
- 照明 – 渡邊孝一
- 録音 – 武進
- 美術 – 五辻圭
- 衣装 – 宮本まさ江
- 編集 – 宮島竜治
- 記録 – 森本順子
- VFXスーパーバイザー – 松野忠雄
- 俳優担当 – 奥田由美
- 助監督 – 佐野友秀
- 制作担当 – 樫崎秀明
- 配給 – 東宝
- 制作プロダクション – フィルムフェイス
- 製作幹事 – TBSテレビ
- 製作 – 「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会(TBSテレビ、東宝、毎日放送、サンマーク出版、FLaMme、CBCテレビ、KDDI、博報堂、RKB毎日放送、TCエンタテインメント、TBSラジオ、トーハン、北海道放送、東北放送、静岡放送、中国放送、GYAO)
まとめ
四回泣けるとの触れ込みでしたが、私が泣いたのは一回でした(笑。
でも、タイムリープものが好きな人には過去にも行けるだけでなく、未来にも行けるという新しさもあって、面白いのではないでしょうか。
どれだけ過去に戻っても、過去に起こったことは変えられない。世の中の摂理だと思います。変えることができるのは、未来だけ。このメッセージは、タイムリープなど関係なく、今を生きる私たち全員に向けられたものだと思います。
あなたがもし、コーヒーを飲んで過去に戻れるとしたら。未来に行けるとしたら。誰に会いたいですか?何を話したいですか?