ネタバレ紹介「おかえりモネ第14週70話」
お話の始まり、モネの父である耕治はいきなり病院から菅波先生を呼び出すよう求めます。
仮眠中のところ突然駆り出された菅波先生は困惑気味にも関わらず、耕治はズイズイ距離を詰め寄っていきます。
限界までにじり寄った距離で発した言葉は「百音をよろしく頼みます。」そして頭を下げます。勘違いを薄々感じ取った先生も前置きをしながら、「僕にできる事ならするつもりです。」と応じますが、モネが本名だと思っていたという発言から場が凍りつきます。
場面変わってモネの職場
朝岡さんとモネの会話です。
災害について多くを目にしてきた朝岡さんは災害現場の視察直後、「自然は恐ろしいだけのものではない」とかつてサヤカさんが自ら守り育んできた山や樹木を見せてくれた過去について話します。
そして「サヤカさんらしい」と微笑むモネにも共通した考えがあるとも説く朝岡さん。
今手中にあるものが脅かされる可能性、迫りくる災害の危険性について警告するだけでは人々は疲弊し、動けなくなるのだと語る彼。
次々襲いくる災害について、大切なものや守るべき人達を守り通すためにどう動くべきか伝える事が大切なのだ、と気づきを得ていました。
突如としてスポーツ気象を打ち出した事についても、気象予測の前向きな面を他者へと強くアピールする為といった理由も含まれていたのだそうです。
締め代わりに「気象予測は未来を明るくするためにある」と語ります。
そんな会話からも、今後の気象予報士としての方針に遂に答えを見出したモネは、番組出演から視聴者へと天気を伝える道を決めました。
いっぽう帰路についた耕治は妻・亜哉子と菅波先生について話します。いい男そうだったと話す耕治とは対象的に察するものがあった亜哉子は、早とちりだったんじゃない?と的を得た発言。
もう1人偵察が必要ね、との言葉とともに意味深にフェードアウトしていきます。
そして後日
都内へと駆り出されたのはモネの妹、未知でした。
未知は姉との久方ぶりの再会を果たし喜びを分かち合います。
未知も投入され、仕事恋愛双方とも新たな展開も予感させる中での次週に繋ぐ形となりました。
「おかえりモネ第14週70話」感想まとめ
出典:NHK公式
第14週の内容は偶然にも、現実とリンクした部分もかなり多くありました。そんな背景からも助長して、今回の放送の視聴についてはイコール災害やその被害者について、より考えを深めていく為の良いキッカケ作りの場となっていた気がします。
そんな中今回丁寧に描かれてきた朝岡さんの考え方については、モネと同じ様により被災者側に寄り添ったもので慎重さを伴っていました。
特に、失う事よりも守る為の行動について促していく、という発言には東日本大震災前後での避難等への注意喚起の呼びかけ方の変わりっぷりについて通ずるものを感じました。
今日では出来るだけ恐怖心を誘発させにくいように言葉選びがなされていますし、冷静な判断に繋げやすいよう災害報道の形も変わってきています。
その他登場人物同士の会話についても、芯に迫る会話であればあるほど経験者や目撃者にしか語れないような生々しさがあり、おそらくは脚本の方の熱心な取材による賜物ではないかと感じ取られました。
どこまでも被災者思いな二人が今後ともどのようなアプローチでそのような姿を見せてくれるのか。かなり難しいところにも思いますが、期待するところです。
少し脱線はしますが、おばあちゃんが木製の笛に発芽した双葉として生まれ変わったという話はプチサプライズとして滑稽で、思わずクスッとくるものがありました。
ほかにも耕治のキャラクター性ゆえの勘違いを描いたコメディ性など脱力するような要素も程よく絡ませてくれるが為に重くなり過ぎず、しかしながら問いかけるところでは気迫をもってよってくるバランス性。
永遠に続くとも言える大きなテーマに向き合う良い役割作りも買っているのでないかとも思っています。
今後については東京パラリンピックの日程を考えるとそろそろ鮫島さんの投入にて、再びパラ絡みの展開を持ってくるのではないかと個人的には見ています。
来週いっぱいまでは少なくともメインとしては描かれないようですが、半端なところで切れている以上再登場は確実でしょう。
ただ鮫島さんの車いす陸上への選手選抜までの流れを追っても、矛盾点や設定や展開の無理やりさも決して否めませんでした。
NHKという放送局上なにか事情が絡んでいそうとはいえ、このへんのモヤモヤ感は払拭を求めたいところ。
様々な賛否の声がきかれる上での開催だからこそ、フィクション作品ゆえに可能な描写や気象予報士という立場からの独創的で面白い、かつパラアスリートの方々や競技についても現実に盛り上げる様なリンクした展開が欲しくも感じてきます。
パラ競技や災害、復興や防災、災害報道の在るべき姿など数々の難しい題材を扱うのは骨の折れる点も多いとは思いますが、これから先の物語がどのように続きどう繋がっていくのか。
今後とも楽しみなところです。