アメリカンコミックのヒーロー「キャプテンアメリカ」の単独映画シリーズ二作目である本作。
そのハードな内容とショッキングな結末から感想は絶賛され、あの庵野秀明さんも本作がお気に入りという感想をパンフレットでだしています。
目次
映画「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」の簡単なあらすじ
- 第二次大戦時超人細胞を手に入れ超人兵士となったスティーブ・ロジャーズことキャプテンアメリカ。
- 現代に転生した彼はサム・ウィルソンという軍所属の精神科医の男性やアベンジャーズと呼ばれる特殊ヒーロー部隊のナターシャと友人同士になっていた。
- そんな中、アベンジャーズの上部団体である国連の組織シールドの司令官であるニック・フューリーからアレクサンダー・ピアースという世界安全保障委員会関係者を紹介される。
- ピアースはインサイト計画と呼ばれる特殊な軍事作戦を立案しており、フューリーとキャプテンアメリカにその計画への誘いをもちかけたのだった。
- この計画は犯罪者を事前に人工衛星で追跡し、ヘリキャリアで殲滅するというものだった。
- キャプテンアメリカはこれが何か悪意あるものに利用されたら危険ではないかと計画への関与を拒絶。フューリーもこれは危険ではないかと内心疑い、計画から降りることをピアースに報告。
- その夜、フューリーは何者かに襲撃を受ける。
- 命からがら逃げたフューリーは機密情報が入ったUSBと自身がウィンターソルジャーという暗殺者にやられたことを告げる。
- キャプテンアメリカは救急車に彼を乗せたが、数時間後にフューリーは死亡した。
- 翌日、ピアースがキャプテンアメリカのもとにきてフューリーの手渡したUSBを自分たちによこせと詰め寄った。
- キャプテンアメリカは何かが変だと気が付き、逃走。
- かくしてフューリーの暗殺犯はキャプテンアメリカであるとしてお尋ね者になったのだった。
- なんとヒーローであったキャプテンアメリカがお尋ね者になる。
- そして、彼らが所属していた組織の上が腐敗していたというまさかの展開です。本作の結末はどうなるのでしょうか。
映画「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」の見どころと感想は?
【見どころ&感想①】アメコミ映画とは思えないシリアスさ
アメコミ映画と言えばコスプレをしたヒーローが悪役を倒すというものが主です。
しかし、本作での敵はなんとアメリカ政府しいていえば国連そのものになりました。
少しだけネタバレをしてしまうとわかりますが、アメリカ政府や国連はとあるカルトな政治集団に乗っ取られていたのです。
日本でも政治と宗教の癒着が社会問題化していますが、この映画をみるとその恐ろしさがなんとなくですがわかってしまいます。本当に私たちの政治は正しい方向に向いているのでしょうか。
また、この映画が公開されていた当時の大統領であったオバマ大統領は中東でイスラム過激派を打倒するという名目で多くのドローンを使い破壊工作を行っていました。
それについての痛烈な批判も本作はかねているのです。
痛みのない兵士として重宝されるドローンですが、それを安易に讃えてもよいのでしょうか。
【見どころ&感想②】アクションのキレ
本作では実際の総合格闘技やプロレスなどを取り入れたアクションスタイルをとっており、派手さとリアルさが混在した独自のアクションシーンをもっています。
冒頭でキャプテンアメリカはフランスからきた傭兵と戦うシーンがありますが、この相手は本物のUFCの格闘家であったジョルジュ・サンピエールが演じています。
ラストでもキャプテンアメリカがウィンターソルジャーに腕菱木十字固めやジャーマンスープレックスで投げ飛ばすという豪快なシーンもありアクションシーンがなかなか見ごたえがります。
映画「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」で印象に残ったセリフやシーン
本作の悪役であるピアースは射殺されますが、その死に際にもこの言葉をいいます。これはヒドラという組織への忠誠を尽くすものでした。
もしかしたらピアースという男はその死すらも組織のために使う忠義の男であったのかもしれません。ちなみに彼を演じるのは名優ロバート・レッドフォードさんでした。
映画「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」の総合評価
というのも本作自体はすごいんですが…
その続編であっさりヒドラが壊滅したという流れになり少し物足りなさを感じました。やはり本作はそれだけ強い影響力を持っていたみたいですね。
映画「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」の結末&ネタバレは?
出典:https://eiga.com/movie/77787/gallery/
キャプテンアメリカは友人ナターシャに何とか助けられ避難しました。
ナターシャはキャプテンを信じていたので彼がフューリーを殺害するわけがないと知っていたのです。
キャプテンアメリカとナターシャはUSBの中にあったデータをたどると、そこには貸し倉庫のようなものがありました。
そこにはキャプテンアメリカがかつて倒したナチスドイツの科学者ゾラ博士の脳意識を植え込んだコンピュータがいたのでした。コンピュータ上からゾラは語り掛けます。
第二次大戦、それは連合国の勝利で終わった。
しかし、ナチスの特殊科学チーム「ヒドラ」の科学力を羨んだアメリカはアメリカへの亡命・命の保証を約束しました。
ゾラたちヒドラの科学者はアメリカでもかなりの地位を手に入れ、以降アメリカ政府や国連への影響力を強くしてきました。逆らうものは暗殺してきたのです。
そして、世界中を自分たちが操っていたのでした。その最終計画としての「インサイト計画」でした。
自らの敵の恐ろしさに震えるキャプテンアメリカ。そんな中、突如敵襲がきたたため逃亡。キャプテンアメリカは友人のサムの助けを得るために彼の元へ避難します。
彼らは一度シールド関係者の男性を捕まえ、尋問すると何者かの手で暗殺されました。その暗殺者はフューリーを殺したウィンターソルジャーでした。
その姿をみてキャプテンアメリカは驚きます。それはなんと戦場で死んだはずの親友・バッキ―だったのです。動揺するキャプテン。
そんな彼をよそにウィンターソルジャーは逃亡をはかりました。
やがて、SWATにつかまった彼らはそのまま尋問されるのかと思いきや、フューリーの秘書だったマリアが助けに来ます。
彼女の手引きである廃工場にたどり着くとそこにはフューリーがいました。彼は死んでいなかったのです。
インサイト計画を止めるために、そしてアメリカや国連の中にいる膿をとるために彼は死を偽造してたのです。
フューリーと彼らはヘリキャリアの内部のチップを偽造する作戦を提案。
そのころ、黒幕であったピアースは世界安全保障委員会のメンバーを集めシールド本部に呼び、インサイト計画の事前説明をしていました。
しかし、シールドの空中要塞にきていたキャプテンアメリカは放送でピアースはヒドラの関係者であると暴露します。
そして、フューリーとナターシャは逆上して他の委員会を殺したピアースを射殺。
キャプテンの呼びかけで一般職員がヒドラのメンバーに謀反を起こします。
そのすきにサムとキャプテンはヘリキャリアのマイクロチップを正常化させていきます。しかし、そこへウィンターソルジャーがやってきました。
キャプテンとウィンターソルジャーは激しい白兵戦を行います。片腕サイボーグのウィンターソルジャーとキャプテンは互角でした。
そのころ、サムもヒドラの派遣した特殊部隊に追われていました。しかし、特殊開発されていた翼を模したパラシュートスーツをつけ空中から逃亡。
戦う中、キャプテンはウィンターソルジャーに話かけます。「君はバッキ―だ、思い出せ。」
そんな中空中要塞は落下し、大破しました。キャプテンもその落下に巻き込まれ気絶。
海の中に沈んでいきました。しかし、そんな彼を助けるものがいました。
ウィンターソルジャーでした、彼はキャプテンの呼びかけでとうとう目を覚ましたのです。
戦いは終わりました。
キャプテンとサムはウィンターソルジャーを探すことを決意、ナターシャはキャプテンたちに同行します。
フューリーは死を偽造したままヒドラの残党を追いかけるのでした。
なんと本作の結末は「友人であったウィンターソルジャーが正気に戻る」というものでした。
映画「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」を見るのがおすすめな人は?
- ただのアメコミ映画に飽きた人
- 現代社会の風刺がされたエンターテイメントが見たい人
- 陰謀系サスペンスが好きな人
まとめ
現在でも政治家と特定の宗教・政治思想を持った集団とのかかわりはいまだに残っています。
それは本作のアメリカだけではなく日本でも同じです。
それがどのような恐ろしいことになるか、本作をみて改めて学んでみるのもいいのではないでしょうか。